職務経歴書の書き方に決まりはある?厚労省が様式例を出していない理由

辞め方と選び方公開:2026年10月23日編集:しごとのてびき編集部
机に向かい、ノートパソコンを見ながら白い紙に書き込んでいる人のイメージ写真。

※画像はイメージです。様式や提出方法は応募先によって異なります。

職務経歴書の書き方を調べると、テンプレートや「正しい書式」が大量に出てきます。ただ、職務経歴書の様式を定めた法令も、国が示した様式例もありません。国が様式例を作っているのは履歴書だけです。ここでは、厚生労働省の履歴書様式例にあたって、何が決まっていて、何が決まっていないのかを切り分けます。

職務経歴書に決まった様式はない

最初に結論です。職務経歴書の様式・項目・枚数を定めた法令の規定は、調べた範囲では見当たりませんでした。厚生労働省が公表している応募書類の様式例も、履歴書のものだけです。

つまり「正しい職務経歴書」という唯一の形は存在しません。世の中のテンプレートはすべて、民間が実務の慣習からまとめたものです。参考にするのは問題ありませんが、そこから外れた形を不利に扱うという決まりがあるわけではありません。選考の基準は応募先ごとに異なります。

判断の順番としては、①応募先が様式を指定しているか ②指定がなければ読み手が追いやすい形にする、の2段階で考えるのが現実的です。

国が様式例を作っているのは履歴書だけ

厚生労働省は令和3年4月に「厚生労働省履歴書様式例」を公表しています。作られた経緯は資料にこう書かれています。

「令和2年7月に日本規格協会が、JIS規格の解説の様式例から履歴書の様式例を削除したため、厚生労働省で新たな履歴書の様式について検討を行い、事業主の皆様に広く参考にしていただくための様式例(厚生労働省履歴書様式例)を作成しました」

宛先は「事業主の皆さまへ」で、求職者向けの手引きではなく企業が応募書類を用意するときの参考として作られています。そして位置づけも明記されています。

「厚生労働省が作成した履歴書の様式は参考として示したものであり、各企業が必要に応じ、この様式例以外の履歴書やエントリーシートなどを活用することも可能です」

履歴書ですら「参考」です。職務経歴書にいたっては様式例そのものがないので、形式の正解を探すより中身を整えるほうが合理的です。

履歴書様式例から読み取れる「書かなくてよいこと」

様式例には、あえて項目を設けなかった欄が書かれています。これは職務経歴書を書くときにも参考になります。

「各欄(「通勤時間」「扶養家族数(配偶者を除く)」「配偶者」「配偶者の扶養義務」)の4項目は設けないこととします」

理由も明記されています。「上記4つの欄は、特に応募者のプライバシーの要素が非常に高い情報であることなどを踏まえ、新たな履歴書の様式例では項目欄として設けないこととしました」

項目厚労省の履歴書様式例での扱い
通勤時間欄を設けない
扶養家族数(配偶者を除く)欄を設けない
配偶者欄を設けない
配偶者の扶養義務欄を設けない
性別任意記載欄(未記載も可)

国が「プライバシー性が高い」として履歴書から外した項目を、職務経歴書にわざわざ書き足す必要はありません。職務経歴書は職務の経験と能力を伝える書類で、家族構成や通勤の話はそこに含まれません。

性別欄はどう扱われているか

性別については、様式例でこう変わりました。「性自認の多様な在り方に対応するため、〔男・女〕の選択ではなく任意記載欄としました」。そして「応募者が記載を希望しない場合は、未記載となる場合があります」と続きます。

企業側への注意も書かれています。「性別欄の記載内容や、未記載であることで採否を決めることはないようお願いします」。いっぽうで「性別の把握が必要な場合に、面接等で適切な方法により確認することは可能です」ともされており、確認そのものが禁じられているわけではありません。

職務経歴書には、そもそも性別を書く欄を作らないのが自然です。

職務経歴書のフォーマットは何を基準に選ぶか

決まりがない以上、選ぶ基準は「読み手が追えるか」だけです。実務では次の3つの形がよく使われます。

どれを選んでも構いません。いずれの形も法令や公的な様式例に根拠があるものではなく、実務上の分類です。応募先が様式を指定している場合は、迷わずそちらに合わせてください。

履歴書と職務経歴書は役割が違う

2つを同じ情報で埋めてしまうと、どちらも薄くなります。

履歴書職務経歴書
国の様式例あり(令和3年4月・参考)なし
主に伝えるもの学歴・職歴の事実何をどう担当し、どんな結果だったか
分量の目安様式例に沿う決まりなし

履歴書の職歴欄をどう書くかは、履歴書の職歴の書き方にまとめています。職務経歴書では、履歴書に書いた会社名・在籍期間を繰り返すより、担当した業務の範囲と、そこで何をしたかに紙幅を使うほうが伝わります。

封筒や提出方法に決まりはあるか

ここも同じで、封筒の色・サイズ・宛名の書き方・添え状の要否を定めた法令の規定は、調べた範囲では見当たりませんでした。

応募先がメール提出やWebフォームを指定していれば、それに従うのが最優先です。郵送の指定がある場合も、サイズや折り方の指定があればそれが基準になります。指定のないところに独自の作法を持ち込むよう求める決まりは、調べた範囲では見当たりませんでした。

まとめ

職務経歴書には法令の定めも国の様式例もありません。国が様式例を作っているのは履歴書だけで、それも「参考として示したもの」という位置づけです。その履歴書様式例では通勤時間・扶養家族数・配偶者・配偶者の扶養義務の4項目を設けず、性別は任意記載とされています。職務経歴書も同じ考え方で、職務の経験と能力に関係しない情報は書かなくてよいと整理できます。形式を探すより、応募先の指定を確認し、読み手が追える順番に並べるほうが確実です。

※本記事は厚生労働省の公開資料を編集部が整理したもので、個別の応募先の選考基準を示すものではありません。様式の指定や提出方法は応募先によって異なります。

出典
  1. 厚生労働省「新たな履歴書の様式例の作成について」(令和3年4月・LL030419就01)(2026-10-23確認)