更年期の頭痛はなぜ起こる?原因と、日常でできる対処・相談の目安

更年期・ゆらぎ公開:2026年9月25日編集:キレイジャーナル編集部
こめかみのあたりを軽く押さえて、少しつらそうな表情をしている40代後半から50代の女性のイメージ写真。

※画像はイメージです。あらわれ方・程度には個人差があります。

更年期になってから、頭痛の頻度が増えた、あるいは痛み方が変わったと感じていませんか。更年期の頭痛は、エストロゲン(女性ホルモン)の変動が関係するとされる、更年期障害の症状のひとつです。ここでは、なぜ起こるのか、どんなタイプがあるのか、日常でできる工夫と、婦人科や神経内科に相談したほうがよい目安までを整理します。

更年期の頭痛は、更年期障害の症状のひとつ

更年期に起こる不調のうち、日常生活に支障が出るほど強いものは「更年期障害」と呼ばれます。日本産科婦人科学会の整理では、頭痛は更年期障害の「からだの症状」のひとつとして挙げられています。ほてりや発汗のように更年期と結びつけて語られやすい症状ではないぶん、「歳のせい」「疲れのせい」と見過ごされやすいのが特徴です。

「更年期」は時期の名前です。 閉経前の5年間と閉経後の5年間をあわせた10年間を更年期と呼びます。 日本人の平均閉経年齢は50歳前後とされるため、多くの場合は45歳ごろから55歳ごろがこれにあたります。

なぜ起こるのか(エストロゲンの変動)

女性に頭痛が多い理由のひとつとして、エストロゲン(女性ホルモン)の変動が関係していると説明されています。月経周期がある年代でもエストロゲンレベルは大きく揺れ動きますが、更年期にはその変動の幅がさらに不規則になります。

加えて、この年代はライフステージの変化やストレスの蓄積が重なりやすい時期でもあります。ホルモンの変動と生活の負荷が同時に来るため、頭痛が強く感じられたり、頻度が増えたと感じたりすることがあります。

頭痛のタイプを知る(片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛)

更年期に見られる頭痛は、大きく片頭痛と緊張型頭痛に分けて説明されることが多く、ほかに群発頭痛と呼ばれるタイプもあります。それぞれ痛み方や対処の仕方が違うため、自分がどのタイプに近いかを知っておくと役立ちます。

タイプ特徴
片頭痛片側または両側がズキンズキンと脈打つように痛む。光・音・においに敏感になり、吐き気を伴うこともある
緊張型頭痛首や肩の筋肉がこり固まり、頭全体がギューッと締めつけられるように痛む
群発頭痛目の奥やこめかみなどに、強い痛みが集中して起こる

※一般に説明されている頭痛の分類であり、診断の基準ではありません。当てはまるかどうかの判断は医療機関で受けてください。

生理の変化や、眠気と頭痛が重なりやすい理由

更年期は生理(月経)の周期も乱れやすい時期

更年期には、月経の周期が乱れる、経血の量や期間が変わるといった変化もよくみられます。月経に関わるホルモンの変動は、頭痛の起こりやすさとも関係していると考えられており、周期が乱れることで、頭痛が出るタイミングも読みにくくなることがあります。

更年期に眠いと感じる日は、頭痛も強く出やすいことがある

更年期には、寝つきにくい、夜中に目が覚めるといった睡眠の変化も起こりやすいとされています。睡眠が十分にとれないと、日中の頭痛をより負担に感じやすくなります。「よく眠れていない」ことに心当たりがあるなら、頭痛だけでなく睡眠についてもあわせて相談先で伝えるとよいでしょう。

日常でできる対処

ここに挙げるのは、頭痛を無くすための方法ではなく、起きたときに困りにくくするための工夫です。

婦人科で相談できること|漢方薬という選択肢

我慢して過ごすほかにも道があります。ホルモン補充療法(HRT)が選択肢として挙げられています。漢方薬などホルモンを使わない選択肢もあり、体質や希望をふまえて主治医とよく相談しながら選ぶことになります。

もともと片頭痛がある方は、更年期のエストロゲン変動で悪化することもあるとされています。婦人科だけでなく、頭痛の専門外来や神経内科・脳神経外科と連携して診てもらえることもあるため、まずは相談してみる価値があります。

サプリメントを考えるときに知っておきたいこと

「更年期 サプリ」と検索して情報を探す方も多いかもしれません。ただし、健康食品やサプリメントは医薬品ではなく、その位置づけや扱いは医薬品とは異なります。消費者庁は、広告のキャッチコピーや体験談だけで判断せず、成分の安全性・有効性に関する情報を自分でも調べること、自己判断での医薬品との併用は避け、不調を感じたら医師・薬剤師などの専門家に相談することを呼びかけています。頭痛がつらいときにサプリメントだけで様子を見るのではなく、まずは婦人科などに相談したうえで、情報のひとつとして検討する、という順番が安心です。

男性にも更年期があり、頭痛など不調が出ることがある

更年期は女性だけのものではありません。男性でも加齢とともに男性ホルモン(テストステロン)が穏やかに減少し、その速さや度合いには個人差が大きいとされています。この変化によって起こる不調は「男性更年期障害(LOH症候群)」と呼ばれ、なんとなくの不調や、突然のほてり・発汗、気分の落ち込みなどが症状として挙げられています。男性ホルモンの減少は、ストレスや睡眠不足の影響も受けるとされ、パートナーや家族に同じ時期の不調が重なることもあります。気になる症状があれば、泌尿器科や内科などで相談できます。

※男性更年期障害の症状として公的機関の資料に明記されているのは、なんとなくの不調・ほてりや発汗・気分の落ち込み・性機能や認知機能の低下などです。頭痛が症状として明記されているわけではないため、ここでは女性の更年期の頭痛とは分けて紹介しています。

こんな頭痛は医療機関へ

ここは見落とされやすいところです。年齢が合っているからといって、すべてを更年期のせいと決めてしまうと、確かめておくべきものが後回しになります。頭痛は二次性頭痛と機能性頭痛に分けて考える必要があるとされ、若い頃からの頭痛の有無、月経周期との関連、急激な発症かどうかを確認したうえで、更年期によく見られる症状と決めつける前に、機能性頭痛の可能性や、急に出現した頭痛の場合は緊急対応が必要な病気の可能性を考えることが呼びかけられています。

相談先としては、婦人科のほか、神経内科や脳神経外科が案内されています。どちらを受診すればよいか迷うときも、まずは婦人科やかかりつけ医に相談すれば、必要に応じてつないでもらえます。更年期の症状は頭痛だけではありません。全体像は次の記事で整理しています → 更年期の症状は人によって違う|あらわれ方と、相談する目安

まとめ

更年期の頭痛は、エストロゲンの変動が関係するとされる、更年期障害の症状のひとつです。片頭痛・緊張型頭痛など複数のタイプがあり、月経の乱れや睡眠の変化と重なって、つらさを強く感じやすくなることもあります。

日常でできるのは、タイプに合わせた対処、睡眠と食事のリズムを整える、起こりやすい場面を記録するといった工夫です。そのうえで、いつもと違う急な頭痛や、しびれなど他の症状を伴う場合は、様子を見ずに医療機関に相談してください。婦人科では、ホルモン補充療法や漢方薬といった選択肢も相談できます。年齢が合うというだけで自己判断せず、ほかの原因でないことを確かめておくことも、あわせて大切です。

※本記事は一般に公開されている情報を編集部が整理したもので、医学的な診断や判断を示すものではありません。症状が気になる場合、長く続く場合は医療機関にご相談ください。あらわれ方・経過には個人差があります。

出典
  1. 公益社団法人 日本産科婦人科学会「更年期障害」(2026-09-25確認)
  2. 厚生労働省事業「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」女性の頭痛(2026-09-25確認)
  3. 一般社団法人日本女性医学学会「頭痛・頭が重い」(2026-09-25確認)
  4. 一般社団法人 日本内分泌学会「男性更年期障害(LOH症候群)」(2026-09-25確認)
  5. 消費者庁「健康食品」(2026-09-25確認)

個別の状態によって判断は変わります。具体的なことは医療機関でご確認ください。