期間工とは?契約期間と仕事の中身、無期転換までの基本ルール

現場の仕事公開:2026年10月2日編集:しごとのてびき編集部
自動車工場の組立ラインで作業をしている作業員のイメージ写真。

※画像はイメージです。工程や勤務の形は、勤務先によって異なります。

期間工は、期間の定めがある労働契約で工場の製造ラインに入る働き方です。厚生労働省の職業情報提供サイトでも、自動車組立の雇用形態としては、正社員のほかに、有期契約の期間工がありますと説明されています。ここでは、契約期間の上限・更新と雇止めの決まり・通算5年を超えたときの無期転換という契約面のルールと、仕事の中身を、法令と厚生労働省の資料から整理します。

期間工とは、有期の契約で働く製造の仕事

「期間工」は求人や工場の現場でよく使われる呼び方で、法律の条文で使われている言葉は「有期労働契約」です。つまり期間工について考えるときは、有期労働契約のルールがそのまま当てはまります。

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の「自動車組立」では、雇用形態としては、正社員のほかに、有期契約の期間工がありますとされ、会社によっては期間工から正社員へのルートを設けているところもありますと説明されています。労働者派遣による就業形態も一定程度あるとされており、同じ工場の中に雇い方の違う人が混在します。

同じページの調査では、この職業で実際に働いている人が多いと感じる就業形態は、正規の職員・従業員が73.2%、派遣社員が17.1%、契約社員・期間従業員が9.8%でした。

※job tagの統計は、その職業のみの統計データを表しているとは限らないと同サイトに注記されています。賃金や就業者数の数値は正社員を含む職業分類全体のもので、期間工だけの数値ではありません。賃金の条件は求人ごとに異なるため、契約前に書面で確認してください。

1回の契約期間は原則3年まで

期間工の契約は、更新を前提に区切られた期間で結ばれます。有期労働契約の契約期間は、1回あたり原則3年が上限です(労働基準法14条1項)。半年や1年といった契約が多いのは、この枠の中で会社が期間を決めているためです。

例外として、高度の専門的知識等を有する労働者と、満60歳以上の労働者との契約は、1回あたり5年が上限になります。ただし高度の専門的知識等に当たるのは博士の学位を有する者や公認会計士・医師・弁護士などに限られており、製造ラインの仕事がここに当たることは通常ありません。

1年を超える契約なら、1年たてば辞められる
1回の契約期間が1年を超える有期労働契約を結んだ労働者は、契約期間の初日から1年を経過した日以後は、使用者に申し出ることによりいつでも退職できます(労働基準法137条。高度専門職・満60歳以上の労働者を除く)。契約期間が1年以内の場合はこの規定の対象ではないため、期間の途中で辞めるにはやむを得ない事由が必要になります(民法628条)。

仕事の中身——ラインの1工程を担う

job tagの「自動車組立」によると、自動車の生産工程はプレス、溶接、塗装、エンジン製造、組立、検査の各工程に分けられ、組立の仕事はそのうちの組立工程を担います。部品の取り付けは数人で分担し、コンベアを組み合わせたラインで流れ作業の形で行われます。

作業の単位は短く、1人が担当する作業は作業内容によって異なりますが、1分から10分程度で終了します。決められた手順どおりに進めれば一定時間内に終わるよう組まれているため、入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされません。入職後は基本的な研修を受け、作業をしながら技能を覚えていくのが一般的だとされています。

一方で、体への負担は小さくありません。長時間の立ち仕事が多いので、一定の体力が必要ですとされ、同じ作業を繰り返すため持続力や注意力も求められます。勤務の形については、勤務形態は、昼勤と夜勤の2交替勤務が多く、休日は週休二日制ですが、生産量の関係で残業や休日出勤を行うこともありますと説明されています。

更新されないとき——30日前の予告

有期契約で気になるのは、更新されるかどうかです。厚生労働省の基準では、使用者は、有期労働契約を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも契約の期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければなりませんとされています。

この予告の対象になるのは、雇止めの予告の対象となる有期労働契約は、(1)3回以上更新されている場合、(2)1年以下の契約期間の有期労働契約が更新または反復更新され、最初に契約を締結してから継続して通算1年を超える場合、(3)1年を超える契約期間の労働契約を締結している場合、の3つです。あらかじめ更新しない旨が明示されている契約は除かれます。

理由を知りたいときは請求できます。使用者は、雇止めの予告後に労働者が雇止めの理由について証明書を請求した場合は、遅滞なくこれを交付しなければなりません。雇止めの後に請求した場合も同じです。示される理由は、契約期間の満了とは別の理由とすることが必要ですとされています。

※この30日前の予告は、労働基準法14条2項に基づく厚生労働大臣の基準(平成15年厚生労働省告示第357号)第2条に定められているものです。労働基準法14条2項そのものは、大臣が基準を定めることができるとする規定です。

通算5年を超えたら無期転換を申し込める

有期契約が長く続いた場合の仕組みが無期転換ルールです。同一の使用者との間で締結された有期労働契約の通算期間が5年を超える労働者が、現に締結している契約期間が満了する日までに無期労働契約の締結を申し込んだときは、使用者はその申込みを承諾したものとみなされます(労働契約法18条1項)。

厚生労働省の案内では、労働者が無期転換を申し出た場合、無期労働契約が成立し、会社は断ることができませんとされています。申込みは口頭でも法律上は有効ですが、トラブルを防ぐため書面で行うことがすすめられています。

転換後の扱いは次のとおりです。無期転換後の労働条件は、別段の定めがある部分を除き、契約期間以外は直前の有期労働契約と同一の労働条件になります。つまり無期になっても、ただちに正社員と同じ待遇になるわけではありません。

数え方に注意——空白期間でリセットされる

通算の数え方には区切りがあります。契約と契約の間に契約のない空白期間が6か月以上あるときは、その空白期間より前の有期労働契約は通算契約期間に算入されません。また、通算対象の契約期間が1年未満の場合は、その2分の1以上の空白期間があれば、それ以前の契約は通算に含めないとされています。

期間工は契約の満了後に期間を空けて再入社する形があるため、この空白期間の長さが通算に効いてきます。なお、通算5年のカウントは、平成25年(2013年)4月1日以後に開始した有期労働契約が対象です。

5年の手前での雇止めについて
厚生労働省は、無期転換ルールを避けることを目的として、無期転換申込権が発生する前に雇止めをすることは、労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではありませんとしています。また、有期契約の満了前に使用者が更新年限や更新回数の上限などを一方的に設けたとしても、雇止めが許されない場合があるとされています。

2024年4月から増えた、契約時に示される内容

契約を結ぶときや更新のときに会社が示す内容は、2024年4月から増えています。有期で働く人に関わるのは次の3点です。

さらに、使用者は、有期労働契約の締結後に、通算契約期間または更新回数の上限を新たに定め、またはこれを引き下げようとするときは、あらかじめその理由を労働者に説明しなければなりませんとされています。後から上限が設けられた場合は、理由の説明を求められます。

契約の前に確かめたいこと

示された条件と実際が違った場合の決まりもあります。明示された労働条件が事実と相違する場合は、労働者は即時に労働契約を解除することができます(労働基準法15条2項)。さらに、就業のために住居を変更した労働者が契約解除の日から14日以内に帰郷するときは、使用者は必要な旅費を負担しなければなりません(同条3項)。遠方の工場へ移って働く形が多いため、知っておくと判断材料になります。

※実際の契約内容や待遇は勤務先ごとに異なります。契約の内容に疑問があるときは、労働条件が書かれた書面を持って、お住まいの地域の労働基準監督署や総合労働相談コーナーにご相談ください。

まとめ

期間工は、有期労働契約で製造ラインに入る働き方です。契約面では、1回の契約期間は原則3年まで、1年を超える契約なら1年経過後は申し出て退職でき、更新しない場合は30日前までの予告が基準で求められます。通算5年を超えれば無期転換を申し込め、会社は断れません——ただし空白期間が6か月以上あると通算がリセットされます。2024年4月からは更新上限や変更の範囲が契約時に示されるため、まず書面で確認するのが出発点になります。

出典
  1. e-Gov法令検索「労働基準法」(14条・15条・附則137条)(2026-10-02確認)
  2. e-Gov法令検索「労働契約法」(18条・19条)(2026-10-02確認)
  3. 厚生労働省「有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準」(平成15年厚生労働省告示第357号)(2026-10-02確認)
  4. 厚生労働省「有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準について」(2026-10-02確認)
  5. 厚生労働省「安心して働くための『無期転換ルール』とは」(2026-10-02確認)
  6. 厚生労働省「2024年4月からの備えは大丈夫ですか?(労働条件明示のルールが変わります)」(2026-10-02確認)
  7. 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「自動車組立」(2026-10-02確認)